TEDxTokyoTeachers イベントレポート

3月3日(金)に世界で2番目のTEDxTeacher’s が東京で開催されました。夜には300名以上の教師、児童生徒、両親が東京インターナショナルスクールに集まり、教育にまつわる価値あるアイデア「Ideas Worth Sharing」を共有しました。

メインのオーガナイザーでMCのジェイソン・ウォルフ(Jason Wolfe)先生による報告はこちらです。

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照明が付き、花火が炸裂した。ヴァン・ヘイレンの「Hot For Teacher」が流れ始めた。私はステージで、第一回目のTEDxTokyo Teachersに訪れた観客を迎えていた。観客は花火にも、ヴァン・ヘイレンにも気づかなかったかもしれない。それは私の頭の中での出来事だったからである。しかし、私はこの緊張感を追いやるために何かせずにはいられなかった。私にとって司会をするは初めての経験であり、こんなに多くの観客の前で話すのも初めてだからである。300人以上もの観客の前で、だ。

TEDxTokyo@Teachers 2012

なぜ私は参加したのかと思う人々もいるだろう。

私は教師であり、TEDのEはEducation,教育を司ると信じてやまない一人である(EntertainmentのEであることはもちろん理解している。でもそれは去年までの話であろう)。イベントのテーマは「学びとイノベーションの融合するところ」であり、会場には間違いなくイノベーティブかつ多様なスピーカーが集っていた 。

モーガン・フィッシャー氏による音楽に続き、人力によって世界中を巡る旅人サラ・アウテン氏は人生の教訓を語り、行動を起こせと私たちを奮い立たせるインスピレーションを与えた。その後は、シェイノア・プレムジー氏が調和を保つことの重要性を呼びかけ、スティーブ・マイヤー氏はミュージック・ゲームを紹介した。景山泰考氏は、今広がりをみせている「生涯学習者」と呼ばれる人々のためのプラットフォーム構築への取り組みについて話した。ジェネヴィーヴ・トラン氏と狩野みき氏 は、義務教育に金融リテラシーと、クリティカル・シンキングという2つの新しい分野を加えたいと考えている。ファーストセッションの最後には、朴廷桓氏が学生を含む会場の全員に、スマートフォンを使って世界に存在する植物地図を作ろうという-シンプルそのものである-呼びかけを行い、そしてモスリン氏が瞑想するかのように鼻笛でMonkeysの楽曲を演奏した。

ライブミュージックとカポイエラが繰り広げられる、セッションの合間の90分の休憩には衝撃を受けた人々もいることだろう。しかし、TEDやTEDxイベントでの最も重要なもののひとつは、考えが同じ人々との人脈を作る機会なのである。無料で振る舞われるアルコールも新たな会話をスムーズにする手助けをしてくれるという利点がある。 私はビールを片手にのんびりと90分を過ごした。

セッション2にはスティーブ・マイヤー氏が会場を活気づけるためにギターと共に再び登場し(まるでワインでは足りないと言わんばかりだ!) クリスティン・ニュートン氏は私たち全員に絵を描く才能がある、ということを思い出させてくれた キム・コフィノ氏は我々教師に、変化する世界に遅れをとらぬように変化し続けてほしいと述べ、クリスチャン・トンプソン氏はギターとプログラミングを比喩、隠喩、あるいは直喩(私はただの英語教師なののでよくわからないが)を用いて説明し、トレバー・キュー氏(決してケヴィン・キューではない。トレバーという独特な名前なのだから、司会者が間違うわけがないと皆さんお思いだろうが…)はワーク・ワークバランスという考え方について話した。ジェイ・ビショップ氏が芸術的探求の素晴らしいケーススタディを行い、 岡橋毅氏はストーリー・テリングのように古いものを、新しく、デジタルの時代にふさわしく生まれ変わらせた。 このセッションは、二つの大きなインスピレーションによって幕を閉じた。ヒーテン・アミン氏はデジタルがもたらした「友達」と「つながり」を活用し、それらを現実世界において本物の関係や経験とするべきだと語った。更にTEDSterであるBLACK氏によるTEDx3度目となるパフォーマンスは、ヨーヨーに関するインスピレーションと情熱にあふれた物語であるとともに、まさにショーの締めくくりに最適な名パフォーマンスでもあった。

次回のTEDxTokyo Teachersも、再びTIS (Tokyo International School) で開催される。来年の個人的な目的といえば、もちろん、これについてはチームの仲間とも話し合わなければならないのだけど、教育を常に変革することについてさらに注力することだと考えている。何でも同じだけれど、教案も毎年、改良していかなくてはならない。チェンジ。チェンジは素晴らしいし、チェンジは必要なのだ。

ここで、非常にすばらしいスピーカーからのメールを紹介したい。

あのイベントから一週間がたちました。

すばらしい夜でした。

ためになるスピーチ、ためになる経験、おいしい食べ物とワイン…。

スタッフの皆さん、スピーカー、観客の方々、ほんとうにありがとう。

特に、私がステージに上がる前、励まし、お手伝いをしてくれたボランティアの方々には感謝したいと思います。

BLACK氏にも感謝をしなければなりません。

彼は3時頃からずっと練習を続けていました。

プロ魂を見せつけられた気がしました。

それを見て、休憩時間の間、私も何度も何度も練習をすることにしました。

ベストではなかったかもしれませんが、あれほどの観衆の前で、初めての英語でのスピーチをなんとかやり遂げることができたのではないかと思います。

TEDについてはこの数年間、興味をもっていましが。でも、この活動を支える人々がもつ情熱とか、どのように協力しているのかについてはあまり深く考えたことはなかったのです。

皆さんにお会いできて、本当によかったと思います。

ステージで話しをする機会を下さったことに心から感謝したいと思います。

また、いつの日か、一緒になにかできるといいなと思っています。

私のMCの腕前について、賞賛の言葉をたくさん頂いているが、控えめな私であるので、ここで紹介するのは止めておく。(顔が赤くなりそう。)ハハ…。

このイベントの運営に関わった皆様、参加してくださった皆様、ありがとう!