2011年TEDxTokyoより日本発のトーク4本をご紹介します!

TEDxTokyoは今年の6月で第4回目の開催となります。初めてTEDxTokyoを知ったばかりの皆様のために、今回は2011年のTEDxTokyoからのプレゼンテーションを4本ご紹介しましょう。既に御覧頂いた皆様にも再発見をして頂ければ幸いです!

1. 水口哲也 : ”The Positive Power of Games”

ゲームクリエーター・ストーリーテラーである水口哲也氏は彼の作品を通じ、モーションセンサー(Kinect キネクト)の技術と美しい映像、音楽、ゲームの要素を融合させて、魅惑的な体感型ファンタジーの世界を披露しました。
水口氏は、ヒトの純粋なデザイア(欲望や欲求)を実現するメディア(媒体)としてゲームを捉えます。ゲームを通じて楽しみ、笑顔、そして希望や幸せまでもを引き出す、夢のような仕事それがゲームクリエイターなのです。ゲームの世界の主人公はレベルアップを重ね常に前を向きゴールを目指します。そうしたポジティブな進化への想いが世界を変えるポテンシャルとなると水口さんは説きます。人々がネット上のゲーミフィケーションを介してボジティブな進化を実現できる。そんな希望を感じました!

2. 石井裕 “The Last Farewell”

現在米国マサチューセッツ工科大学でご活躍を続けられる石井教授は1993年のTEDxKobeでネグロポンテ氏に出会ったことがMITへ赴くきっかけとなったと語ります。
このトークでは特に3.11の東北大震災に焦点を当て、災害の恐怖と混乱に襲われた日本でいかにスピーディーにTwitter等のSNSがツールとして活用され、善意を持った人々の貢献がネットワークを繋ぎ合い、オープン・ソース・クライシス・マッピングを作り上げたかを描き出します。当時のGoogle社の迅速な対応を例に挙げ、石井教授はクラウドシェアやオープン・ソースといったテクノロジーの活用で、次の不測の事態に耐え得る回復力を備えたシステムを構築すべきだと説きます。
最後には、ご自身でお母様へのプレゼントとして作成された、ある詩的なインターフェースを紹介されました。ノスタルジックな感覚とテクノロジーの融合に未来のインターフェースの可能性が詰まっています。

3. キャシー松井 “Womenomics”

「そこにあるのはガラスの天井ではなく、ただ男性たちの厚いレイヤーだけです」
女性のエンパワメント・リーダーとも言える松井氏は著名な日本株式投資ストラテジストであり、99年に論文「ウーマノミクス(女性経済)」を発表しました。
女性が経済活動に参画しGDPを引き上げることが可能だが、日本ではそのための女性の労働環境が整っていない。さらには外国人労働者の受け入れ環境も改善の余地があると説きます。
女性という希望が日本では未だ十分に活用されていません。
経済活動の原動力としての女性の活用についていち早く「ウーマノミクス」で訴えて来た松井さんが、変革が難しいけれども大切な事について改めて力強くメッセージを伝えました。
各先進国と比較するなかで見えてくる、日本の課題を鮮明に見つめる貴重な機会でした!皆さんも一緒に、彼女のようなロールモデルが続々と生まれる社会にして行きませんか?

4. 中村俊裕 “Igniting Creativity”

中村氏はNGO“Kopernik(コペルニク)”を立ち上げ、アフリカの人々の労働負担を劇的に軽減したドラム回転型ポリタンク“Q-Drum”のように、【シンプルな技術で人々の生活を変えてしまうテクノロジー】を提供しています。
彼はインドネシアやシエラレオネ等で国連活動に携わり、日本での過剰とも言えるイノベーションと発展途上国で必要に迫られているものとの差に愕然とし、最もイノベーションを必要としている人々のニーズと技術者を結びつけるテクノロジーマーケットプレイスであるコペルニクを立ち上げたと言います。彼は、「3.11はいわば豊かな国、日本の人々が資源や技術が不足している環境の人々と共感で結ばれる切っ掛けとなった出来事だった」と語ります。
イノベーションが、貧しい人やそして災害を生き延びた人といった、最も助けを必要としている人々に届くように願う、そうしたシンプルな思いを形にすることの大切さを感じました。