梅若猶彦

能楽師、脚本家、舞台演出家、能楽研究者

能という舞台芸術に深くかかわってきた梅若家は、600年前後まで遡ることができる由緒ある家柄です。梅若の曽祖父に当たる梅若実は、明治維新において、衰退の危機に直面していた能を救ったことで有名です。能楽師であった父、梅若猶義から手ほどきを受け、3歳から舞台に上がり、9歳で「土蜘蛛」のシテをこなします。1988年のクリスマスイブにバチカンにてヨハネ・パウロ二世の前で演じた「イエスの洗礼」をはじめ、多くの新作能の節付、作舞、演出を担当しています。世界中で公演を行うほかにも、能の要素を取り込んだ新しい古典演劇の執筆や演出に忙しく、また、1995年の映画「Hiroshima」では昭和天皇役を演じました。1995年にロンドン大学ローヤルホロウェイで博士号を取得し、現在は静岡文化芸術大学の教授として能楽の文学、哲学、そして舞の内在性に関する学術的な研究を行っています。

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