TEDxTokyoChange Wrap Up Report

TEDxTokyoChange

2013年4月4日、渋谷のヒカリエ会場にてTEDxTokyoChange 2013を開催しました。このイベントでは、「Positive Disruption」というテーマについて、アメリカのシアトルで開催されたTEDxChange 2013に登壇した6組のスピーカーのビデオ上映と、TEDxTokyoChange独自の2名のスピーカーのトークをお届けしました。

まずシアトルのTEDxChange 2013のビデオ上映がはじまり、TEDxChangeのホストでオーガナイザーでもあるMelinda GatesがTEDxChange の開始を告げました。ビル&メリンダ・ゲイツ財団の共同代表でもある彼女がこの後登場するグローバルスピーカーの選出も担当しました。

最初のグローバルスピーカーとして登壇したCathleen Kavenyは法学者であり神学者で、キリスト教の内側にいるものとしてどのように キリスト教に対して、そして社会に対してPositive Disrupt をもたらすことができるかについて、また個々人がアクションを起こしていく大切さについてをユニークな視点から語りました。

次に登壇したHalimatou Himaは、UNICEF(国際連合児童基金本部)のニジェール事務所で活躍する女性です。「変化を起こすために私に何ができるかを問いかけました。そして私の国の未来は少女達の運命にかかっているのだ、と気づいたのです」。Halimatou は女性の決められた道をポジティブに破壊するために、次世代の女性、少女たちの活動を支援することがいかに重要であるかを彼女の祖母が教えてくれた illimi のコンセプトと共に話してくれました。

Nhat

ナイジェリアン・アメリカンのパフォーマンスアーティストで詩人のDavid Fasanyaが、軽快なリズムで観客を魅了したところで、一旦シアトルからの上映を止め、ヒカリエ会場のステージでのNhat Vuongによるライブトークが行なわれました。ベトナム戦争難民の両親を持つNhatは15歳の時にベトナムのストリートチルドレンの生活を目の当たりにします。クラウドファウンディングのプラットフォーム「i-kifu.org」を創設した彼は、今回のトークで彼がベトナムで感じた衝撃と彼のゲームへの興味がどう人々を楽しく巻き込むための方法へと繋がったかについて語られました。

後半は再びシアトルの上映に戻り、記者であり作家であるRoger Thurowのトークが始まります。20年間、ヨーロッパとアフリカに拠点をおく海外特派員としても活躍したRoger は1980年代、彼が実際にエチオピア大飢饉について、そして自分の人としての責任を感じどのようにその後関わってきたかについて語りました。

次に登壇したSalim Shekh と Sikha Patraの二人は、スラム街でのポリオ撲滅のために、勉強と仕事を両立しながら街の子供たちをリードしさらに小さい自分の街の更に小さい子供達を救う活動をしたティーンエージャーリーダーたちです。今回の TEDxChange では彼らの活動と彼ら自身についてホスト役のMerindaが質問して答えるというスタイルで進行され、最後の質問で彼らが将来の夢を語った後、会場はスタンディングオベーションに包まれました。

ジョージタウン大学のソーシャル・インパクト・コミュニケーション・センター(CSIC)の次長を勤めるJulie Dixonは、人々の社会問題への関わり方が寄付者に寄付をただ募る、という昔の寄付モデルが、ソーシャルメディアによってどのように変わったかを彼女自身の経験と共に語りました。TEDxChange の最後は、TEDxTokyoChange のように TEDxChange とコラボレーションした100都市を超える世界各地のイベントの紹介で締めくくられました。

Emmy

そして、TEDxTokyoChange 最後のトーク、Change.org Japanのファウンダーおよびキャンペーンディレクターのハリス 鈴木 絵美のトークが始まりました。社会変革に携わるきっかけとなった腰の病気について、そして誰もが日常の小さなことから社会変革を起こし、皆に広められる社会になってきたことについて語ってくれました。

今回は平日の午後6時半から3時間のイベントでしたが、最初のトークから会場はほぼ満席となり、みなさんの世界を変えることに対する関心の高さが伝わってきました。会場はTEDxスタイルの演出を行い、イベントの醍醐味である参加者同士によるコミュニケーションも楽しんでいただけるよう、懇親会の時間をたっぷり設けたことで、最後まで多くの人たちにいろいろな交流を楽しんでいただけたと思います。

ディレクターの黒川彩子から今回のイベントについて感想をもらいました。

「まず、短い準備期間だったにも関わらず、素晴らしいトークを共有してださった Nhat Voung さん、ハリス鈴木絵美さんには心からお礼申し上げます。

また、1ヶ月半という短い期間野中、それぞれにとってのPositive Disruption とは何かを考えるところから始まり、イベントを参加者の皆さんにお届けするまで奔走してくれた運営メンバーにも感謝します。ディレクターとして初めて担当したイベントでしたが、このメンバーがいたからこそ、今回のイベントを成功させることができた、と思っています。今回のイベントは私個人としても様々な Change を起こすきっかけとなりました。このイベントが参加者の皆さんにとってもChangeのきっかけとなっていれば幸いです。」

スピーカー、参加者、そして関係者の皆様。本当にありがとうございました!
The TEDxTokyoChange Team

The Team