TEDxTokyo 2012 スピーカー・スポットライト:「T」テクノロジー

次はどんな人がTEDxの壇上に「共有すべきアイデア」を広める為に立つことになるのでしょうか?TEDはテクノロジー(Techonology)、エンターテイメント(Entertainment)、デザイン(Design)の頭文字から成っています。6月30日開催が目前に迫ったTEDxTokyo2012では、スピーカーリストがついに発表されました。今回はTEDのT、テクノロジーに焦点を当ててスピーカーをご紹介したいと思います。
テクノロジーというと通信技術や数式等の世界を想像しがちですが、このスピーカー達が伝えるのは勿論それ以上のもの、彼らの情熱から生まれた技術であり、人間が直面する様々な難題を理解しようとし、課題を明らかにし、解決しようとしたことから生まれた、極めて人間的な技術なのです。

大木 洵人 シュアールグループ 共同創業者・代表 アショカ・フェロー

耳の聞こえない音を介さず手話で会話をする人々(ろう者)にとっては少しの手の動きも大きな意味を持ち、声で会話する人々との表現方法の違いは簡単には計り知れないものがあります。そのギャップを埋めることに大木氏は彼のミッションを見出しました。
大学一年生の時に大木氏は手話サークルをキャンパスに立ち上げ、NHK紅白歌合戦で手話のコーラスとして出演しました。後に彼はShuR(シュアール)グループを起業し、これまでに遠隔手話通訳や手話ポッドキャストなどを世に送り出しています。そして今回、手話の「手形」と「位置」をコンピュータのキーボードに割り当てて検索できる世界初の技術を基に、Wikipedia版の手話辞典「SLinto Dictionary」を開発し、ウェブサイトにて公開します。

ホワイ・チェン ”ビル”・チャン

ホワイ・チェン ”ビル”・チャン氏は東京大学生産技術研究所(東大生研) の博士課程に在籍し、研究を続けています。2011年春には南極・海底・火星などの極限環境や国際宇宙ステーションやスペースコロニーなどの宇宙空間において、「過酷な環境条件から 人命を守り、短期・長期滞在居住空間の創出すること」をテーマとした産学研究会、the Consortium of Extreme and Space Settlements (CESS) の創設メンバーとして当研究会を立ち上げました。彼は2010年から赤十字社(Red Cross)の人道的ミッションボランティアとしても活動を続けており、現在はthe U.P. Omni-rescue プロジェクトで、intercontinental ballistic missile (ICBM)、(大陸間弾道ミサイル)を使ってへき地や被災地へ救援物資を届けようという大胆な研究を行なっています。チャン氏は学生たちに宇宙についての興味を抱いてもらおうと、宇宙や研究分野の話を伝える期会を持つようにしていると言います。

キャスリーン・パイク

東京イングリッシュ・ライフライン(TELL)に勤めたキャスリーン・パイクには「ため息の因子」があるようです-彼女が部屋に入ってくると、人々は賞賛のため息をつかずにはいられません・・・臨床心理学者であり、ジョンス・ホプキンス大学そしてイエール大学で経験を積んだ教授でもあるパイク氏は25年間女性の精神的健康と摂食障害について研究を続けて来ました。彼女は日本の震災被害者へカウンセラーとしてサポートを続ける傍ら、アウトサイド・ザ・ワイヤというボランティア・シアター・グループのリサーチパートナーでもあります。現在はコロンビア大学のグローバル・メンタルヘルス・プログラムのディレクターとなり、国境を越えたパートナーシップのもとに精神疾患への偏見を無くし、サポートを必要としているコミュニティへ届けるべく活動を続けています。