TEDxTokyo 2014 スピーカー:テクノロジーの「T」

T-for-Technology

TEDxTokyo 2014が、いよいよ5月31日(土)に渋谷・ヒカリエで開催されます!開催が数日後にせまり、TEDxTokyo 2014のスピーカーとパフォーマーのラインアップが、現在続々と公開されています。

そこで、今年ご登壇いただくスピーカーとパフォーマーを、「TEDxTokyo」の「T」「E」「D」: Technology(テクノロジー)、Entertainment(エンターテイメント)、Design(デザイン)のカテゴリーから、ご紹介したいと思います。

第1弾として、「T」テクノロジーの分野のスピーカー9名をピックアップしました。

岡田 光信(起業家)

地球のことだけを考える「グローバル時代」なんて、もはや時代遅れ。
これからは「コスミック時代」、宇宙の単位で考える時代の到来。

宇宙規模で環境問題に取り組む岡田光信氏は、高校時代に参加したNASAのスペースキャンプがきっかけで、地上と宇宙の出来事を同レベルの問題と考え、解決に向けて取り組んでいます。

たとえば、宇宙のゴミ問題。
これに真正面から取り組むために、岡田氏は2013年に世界初の企業「ASTROSCALE」を設立しました。これまでの大蔵省(現財務省)、戦略コンサルティング、IT企業勤務、通信ソリューション企業設立の経験を活かして、宇宙環境改善に尽力しています。

藤田正裕(プランニングディレクター、END ALS創設者)

視線ですべてを操作する。

身体は不自由でもコミュニケーションが可能なのが21世紀。
科学技術の進歩により、視線の微妙な動きをコンピューターが認知し、他人とコミュニケーションをとったり、仕事をすることだって出来ます。

ヒロの愛称で親しまれる藤田氏は、20代までは世界各地に住み、スポーツ万能で、ロックスターのごとく酒とパーティに明け暮れるバリバリの広告会社のプランニングディレクターでした。しかし30歳の誕生日直前、不治の病とされるALS(筋萎縮性側索硬化症)が人生を襲います。でも、藤田氏の仕事人魂と希望は消えません。アイトラッキング技術によって、現役で仕事を続ける藤田氏。友人らと立ち上げた一般社団法人END ALSは、ALS患者のサポートとより良い社会づくりを目指し、治療法の確立と患者生活の向上を2つのミッションに掲げ、政策提言なども行っています。2013年には、著書『99%ありがとう ALSにも奪えないもの』を発表し、啓蒙活動も精力的に取り組んでいます。

サンディープ・カシ(シネマクラフト代表)

ネットでスマホで動画をみる、は日常生活の一部。

でも、実は、そのモバイルビデオの最初の10秒とサムネイル画像が勝負。
「いいね!」と視聴者が思ったビデオは、どんどんシェアされ、コピー(regram)されます。

黎明期からモバイルビデオの普及に尽力してきたサンディープ・カシ氏は、どうしたらソーシャルネットワーク上の動画から製作者サイトへのアクセス率の向上を考え、動画サムネイルの機能を大胆に見直しました。新たな用途を与えることでソーシャル機能を強化された仕掛けとしてVideogram、Videogram Live、Oixshrなどの動画用プラットフォームを、自身が創設したシネマクラフトを通じ発表。メディア上の広告、消費、マネタイズにおける新しい方法論を提示するサンディープ氏。彼の既成概念を打ち破る新しいデジタルメディア方法論に世界が注目しています。

佐倉 統(科学技術社会論研究者)

研究者としてのアイデンティティとは、研究の社会的意味や位置づけを自覚し、説明すること。

科学技術によって、人は幸せにも不幸にもなる。
たとえば、なぜ放射線をこんなに不安に感じるのか?

科学論研究者として社会基盤にある「科学」の力を信じて、できるだけ幸せになる方法はありうるのかを問い続ける佐倉統氏は、放射線低線量被曝の専門家と地域住民間の活動に実際にかかわりながら、人間のリスク認知の進化的基盤を研究し、科学技術と社会の関係性から答えを見つけようとしています。科学と人とのつながりのあり方を見つめ直す研究者として、最前線からその道筋を指し示してくれるでしょう。

遠藤 謙(義足エンジニア)

すべての人に動く喜びを。

この当たり前すぎる感動を、世界中の人々に届けるために、遠藤謙氏はMIT博士課程時代から一貫してロボット義足の研究を続けてきました。現在はソニーコンピューターサイエンス研究所に所属しながら、ウェアラブル技術を駆使した新プロジェクト「Xiborg(サイボーグ)」を、日本を代表するトップアスリートの為末大氏や杉原行里氏と共に始動させました。

そのイノベーション力は世界でも高く評価され、ヤング・グローバル・リーダーとして活躍しています。2012年にはMIT発行テクノロジー・レビュー誌で35歳以下のイノベーター35人にも選出されました。現在はIMPACT Japanのインパクト・フェローとしても日本国内で精力的に活動中です。

若宮 正子(メロウ倶楽部エグゼクティブ)

シニア世代は円熟世代。

ゆとりある豊かな活力に溢れた21世紀の長寿社会にむけてできることは何か。
円熟世代の経験知を社会に伝え残していくこと。

60歳よりパソコンを独習したマーチャンこと若宮正子氏は、シニア世代向けサイト「メロウ倶楽部」を通じて、戦中戦後を生きた人々の貴重な生の証言をデータベース化する「メロウ伝承館」を担当しました。このプロジェクトが、国連情報社会世界サミット大賞日本大会で最優秀賞を受賞し、大きな注目を集めます。以降、高齢者向けPC活用術やデジタル創造の喜びを世界中に伝え続けています。定年後からのネット&パソコンデビューだって、遅くありません。デジタル社会に一緒に飛び込みましょう。

高橋政代(医学者)

臨床だからできること、研究だから出来ること。
でも、両方ならば、もっとできる。

日本中がノーベル賞受賞に沸いたiPS細胞。その研究知見を、すでに臨床現場に持ち込んでいる眼科医が日本にいることをご存知ですか? 視覚障害に対する理解の促進とイメージ革新を願う高橋政代氏は、現在、神戸を拠点に、再生医療とリハビリの両側面から網膜疾患患者をトータルにサポートする医療システムを構築しています。医療システムを経済的に自立させ、患者の満足を最大限にする網膜疾患センター構想は、日本の医療に新たなイノベーションをもたらすと世界中から関心を集めています。

西村美保(理学博士)

誰もが小学生の理科で習う「植物の光合成」。
光合成に必要なのは、太陽光。

でも、強い光があたりすぎると、葉緑体内の特定タンパク質が凝集し、光合成能力はストップしてしまう。光合成メカニズムの細胞・分子レベルの研究を農作物開発や、新しいエネルギーシステムの創出に活かそうとしているのが、若手理学博士の西村美保氏です。植物は温暖化による気温上昇など環境問題にさらされ、より厳しい環境に耐えられる強さが求められるようになっています。西村氏は先進的な研究活動と並行し、地元の高校や中学校へ研究内容を紹介する出前授業をボランティアで続け、科学的探求の楽しみや環境への意識の啓蒙活動も行っています。

久川 真吾(ソフトウェアエンジニア、ハッカー)

あったらいいなを作る。
多くの人の試行錯誤の中で、淘汰されて生き残る製品が強い。

その信念を貫く久川真吾氏は、自分の所有するすべての工作機械とノウハウを動員して、高額な初期投資なしに誰もが自分のアイデアを製品化できる環境を作り出しています。一方で、遺伝子実験に欠かせないDNA増幅器を安価かつ安定的に量産し、大企業や大型研究機関にはできないユニークなプログラムを世界中バイオハッカーや教育機関に提供中。ソフトウェアエンジニアであり、ハッカーであり、鳥人間コンテストで準優勝した経歴まである異能の人物は、これからのメイカーズ革命をどう考えているのでしょうか。