室瀬 和美

漆芸作家

しっとりとした漆の光沢に、格別な華やぎを添える金銀の蒔絵。室瀬和美さんは、その蒔絵の技術で2008年に重要無形文化財保持者(人間国宝)となった漆芸作家である。東京藝術大学大学院美術研究科を修了後、日本伝統工芸展に出品しながら、金刀比羅宮本殿格天井「桜樹木地蒔絵」や三島大社の国宝「梅蒔絵手箱」の復元、祐天寺講堂蒔絵壁画「祐光」などの作品を手がけてきた。大英博物館を始めとする国内外の展覧会にも多数出品し、2002年には『漆の文化――受け継がれる日本の美』(角川書店)を上梓。「漆を通した21世紀型価値観」を発信し、縄文時代前期から脈々と続く漆芸の美意識を伝道している。

漆と日本文化

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