書家
いつから日本人は、縦に文字を書かなくなったのだろう。いや、今ではもう自分の手で文字を書く人すら珍しいのかもしれない。山口碧生は、サンフランシスコを拠点に活動する書家。ダンサーやファッションモデルたちとのコラボレーションが生み出す「ライブ書道パフォーマンス」で、書道芸術を平面の静止状態から開放する。書く瞬間に、その空間を流れる時間、静と動、感情や熱が体感できる立体表現。書くことを忘れてしまった私たちに、山口は伝えてくれる。文字には鼓動のようなリズムがあり、書かれる言葉にはいつも命が宿ることを。