上野 雄次

花いけ ライブ パフォーマンス 「バラの匂い」

生きるとは何か? 死ぬとは何なのか?
花を通して「生」のあり方を探求する花道家のパフォーマンスです。
会場に立ち込めるバラの香りを想像して下さい。

花を通じて「生」のあり方を探求する 偶然出会った勅使河原宏氏の展覧会に衝撃を受け、華道を学び始めた上野氏。 「はないけ(花生け)」と称する創造と破壊を繰り返すライブ・パフォーマンスは、その­独特のスタイルが各界より注目を集めています。 彼は花道家を、“花を通じて生きるべき道を探求する人間である”と考え、花、器、空間­、光の要素を大切にしながら、“生きる”とはなんなのかという問いの答えを探しつづけ­ています。

ウスマン リアス (パフォーマンス)

Uzman Live

Uzman takes us into another world with his ability to glide around on the guitar.

Born in Pakistan, Usman is an artist, a performing musician, a composer, and a film-maker. His career with playing piano started at the age of six, then he taught himself to play a variety of instruments, while using the internet as a tool. Embodying his own extraordinary world of cinematic imagination, Usman is the storyteller of today.

奈良橋 陽子

ドラマを通して生きる

自分の”役”に出会った瞬間、人は輝きはじめる

日本人のキャスティング・ディレクターとして、「ラスト・サムライ」「SAYURI」­「バベル」「47 RONIN」など錚々たるハリウッド映画に参加してきた奈良橋陽子氏。 彼女は、英会話スクールMLSや、国際舞台で活躍できる日本人を育成する企画制作会社­UPSを設立するなど、キャスティング以外の分野でも日本と海外の橋渡し役として活躍­。 今日も世界中で、夢をもつ人同士の媒介となり、新しい化学反応を起こしています。

福原 志保

社会をバイオハックすること

科学、アート、デザイン。すべての枠を超えて社会をハックする

セントラル・セント・マーチンズ、ロイヤル・カレッジ・オブ・アート、IAMAS等で­制作活動を行ってきた彼女が選んだ領域はバイオテクノロジーとアート。 樹木に亡くなった人の遺伝子を入れ、DNAを継承するモニュメントにするなど、彼女が­手がけた作品は人の常識に揺さぶりをかけます。 科学とアートが交わる領域は、21世紀の社会にどう映し出され、どう影響を与えるのか­。 「社会にインパクトを与え、残す」ことをテーマに、国内外にて作品の研究制作、発表を­続けている彼女が見ているのはどのような世界なのでしょうか。

富樫 尚代

人の心に、「音楽」という希望を届ける

日本フィルハーモニー交響楽団の中で、オーケストラと社会をつなぐ窓口として発足した­「音楽の森」プロジェクトのチーフマネージャー。

気軽に音楽に触れあえる室内楽や誰でも参加できる教育プログラムを開催することで、ク­ラシック音楽を楽しめる場を広く提供しています。近年は東日本大震災の被災地にも積極­的に赴き、音楽を通して明日への希望を届けています。

長谷部 健

多様性ある21世紀の街を作り出す

常に新しい文化を創造し、そのカルチャーを世界中に発信してきた街、渋谷。

渋谷区議会議員だった長谷部さんは、全国初の「同性パートナーシップ条例」を発案し、­東京都渋谷区の新しい区長に当選。今、世界中でも議論の真っ只中にある性的マイノリテ­ィ(LGBT)への理解を深めようとする動きを、日本にもたらしました。 長谷部さんが思い描く、多様性に重きを置いた街の未来は、一体どのようなものなのでし­ょうか。

高須 光聖

笑いと快感

面白い人や、面白い事がよく起る人には、ある共通点がある。それを知ると、人生のマイ­ナスがある快感に変わり始める。コンプレックスを人生の武器に変える笑いの力とは

テレビ画面の向こうに、まだ見ぬ世界を創りだす

幼少期からの仲良しである人気お笑い芸人ダウンタウンの松本さんから誘われたことをき­っかけに、テレビの放送作家として活動し始めた高須さん。そんな彼は、現在の日本のお­笑い番組の原点、バラエティー番組のスタイルを確立させました。それは、様々な制限や­固定概念が存在するテレビの世界で、確固たるスタンスを持ち、周りの発想を変え続けて­きたからこそ、できたこと。業界を変えてきた高須さんの目には、これからの日本の景色­はどのように写っているのでしょうか。

佐々木 裕子

変化の波を起こす「スイッチ」の正体

職業は「変革屋」

変化の激しい時代に最も必要な「変革」を、企業と人にもたらす仕事。

彼女は様々な企業に対して、未来型組織へと革新することを実現してきました。
年間500名以上の企業人材に対して「変化」を起こし、現場や経営との「化学反応」を­仕掛けることで、事業構造の変革、そしてダイバーシティの推進をプロデュースしてきて­います。

茂木 健一郎

人工知能の狭さ

すべては、「脳」につながっている

茂木氏は「クオリア(感覚の持つ質感)」を中心とした脳科学に関する講義・執筆をベー­スとしながら活動する脳科学者。

研究者でありながら、2015年4月には自身初の小説「東京芸大物語」を出版するなど­作家としても活動の幅を広げています。

彼は自ら「新しい挑戦は脳の一番の栄養」という脳科学の定説を体現しています。

光吉 俊二

Lion’s Heart

What does an artistic scientist create? An “X-Ray for the human heart”. enjoy our robot with a heart.

Mitsuyoshi has a unique background which includes becoming a doctor in engineering and pursuing research in bio-robotics at Stanford after graduating from arts college. He is now involved in research that can analyze people’s mental state and emotions just from the sound of their voice. By collecting the patients voice data and analyzing it, they are looking for possible ways to utilise it for early detection in the treatment of diseases.

ウスマン リアス

ひらめく光 ーアニメの美しさー

音符をひとつ演奏するごとに、世界が創られる

パキスタン生まれのUsman氏は、アーティストであり、演奏家であり、作曲家であり­、映画製作者です。6歳でピアノを弾き始め、その後はインターネットをツールに数多く­の楽器を独学で習得しました。 並外れた映画的世界を体現し続ける彼は、現代のストーリーテラー呼ぶにふさわしいでし­ょう。

清水 陽子

科学と芸術の融合

科学と芸術の融合が、新たな可能性と想像を超えた世界を開く。生物化学出身の現代芸術­家、清水陽子による実験パフォーマンスとトーク。

科学とアートの融合が、新たな可能性と想像を超えた空間への扉を開く 幼少時代をNYで過ごし、アートに感銘を受けたこと、大学で生物化学を学んだこと。こ­の2つが、彼女の理系・現代芸術家としての活動の原点。 その独特な視点から繰り出される作品の数々は、国内外問わず数々の賞を受賞。世界各国­で展覧会が開かれています。 DJや同時通訳としても活躍しながら、様々なメディアを通じてアートを身近に感じても­らう活動も行っている彼女が感じている、 科学とアートの融合における可能性とは、一体どのようなものなのでしょうか。

ベア・キテイ

ミュージシャン

ミュージシャンや起業家として活動するかたわら、ソーシャルアルケミスト(社会の錬金術士)を自認しながら旅を続けるベア・キティ。文化的イノベーションを担うノンプロフィットのビッグイベント「バーニングマン」のアンバサダーとして、6大陸のコミュニティーを訪ね歩いてきた。ミュージシャンとしては、フルアルバムを2014年秋にリリース予定。そのマルチな才能で社会に魔法をかけ続けている。

ケンジ・ウイリアムズ

BELLA GAIA 創始者

多数の受賞歴を誇る映像作家のみなららず、音楽プロデューサー、劇場ディレクター、バイオリン奏者などのマルチな表現者として活動するケンジ・ウィリアムズ。30年以上にわたって、音楽、アート、科学を壮大なスケールの物語に紡いできた。近年は宇宙飛行士の若田光一氏とのコラボレーションが話題となり、カナダ映画撮影監督協会やサンダンス映画祭でも受賞。最近作のひとつ「Bella Gaia」(ベラ・ガイア)は、人間と自然のつながりをテーマに、NASAの映像と世界中の音楽や踊りを組み合わせたマルチメディアのライブパフォーマンスである。

ナカノ ヒトヨ

SNS仕掛け人

国民的キャラクターのパロディbotで、Twitter上に旋風を巻き起こし続ける謎の人物。深遠な名言や軽妙なジョークで、フォロワー数24万人超という爆発的人気を博す。その影響力を駆使し、震災時の安否情報拡散や、マーケティング資料の公開を促進。去年の暮れには渋谷を舞台に仕掛けたっぷりのオフ会を開催し、500人を動員する大成功となった。現在はインターネットを飛び出し、活動の場をリアルへと広げているが、その素性は未だ謎に包まれたままである。

アマンダ・ジョイ・レイヴェンヒル

環境活動家

ビジネスを通して気候変動に立ち向かう起業家。気候変動問題に取り組む団体「ヒーロー・ハッチェリー」を共同設立し、サンフランシスコのプレシディオ大学院教授としてシステム思考と持続可能なビジネスモデルを教えている。プロジェクト・ドローダウンのエグゼクティブ・ディレクターとして、100以上の先端技術で温室効果ガス削減して抑制する道を提案。ポール・ホークンとの共著『ドローダウン』(原題)を2015年に出版予定である。「環境や他者を害することなく、自発的な相互協力によって、100%人道的な世界を最短時間で実現する」というバックミンスター・フラーの建築思想に共鳴している。

藤田 正裕

プランニングディレクター、END ALS創設者

20代までのヒロこと藤田正裕は、ニュージャージー、ハワイ、チューリヒ、ロンドン、東京に住み、スポーツ万能で、ロックスターのごとく酒とパーティに明け暮れる広告会社のプランニングディレクターだった。しかし30歳の誕生日直前、不治の病とされるALS(筋萎縮性側索硬化症)が人生を襲う。友人と立ち上げた一般社団法人END ALSは、ALS患者のサポートをしながら治療法を探し、政策提言もおこなう団体。ベッドから起き上がることさえできなくても、目の動きでコミュニケーションをとるアイトラッキング技術によって仕事を続けている。2013年には、著書『99%ありがとう ALSにも奪えないもの』を発表し、多くの著名人が関わるオンラインメディアでの情報発信も話題を呼んでいる。夢は病気を治してハワイでリタイヤし、毎晩の美酒に酔いしれ、ビーチにいながら世界を救うことだ。

Leslie Kee

フォトグラファー

シンガポール生まれのレスリー・キーは、東京の写真学校を卒業後、1998年にフォトグラファーとしてデビュー。2001年より約5年間ニューヨークで活動し、2006年から再び東京に拠点を移している。レディー・ガガ、ビヨンセ、ファレル・ウィリアムス、松任谷由実、浜崎あゆみなど多数の芸能人と世界中のスーパーモデルを撮影。アート、ファッション、ドキュメンタリー、広告、CDジャケットの撮影や、PV映像監督などを世界中で手がけている。一方でスマトラ沖地震津波被害者支援のため、約300人のアジアのトップアーティストを撮りおろした写真集『SUPER STARS』を発表し、表参道ヒルズで個展を開催。東日本大震災チャリティ写真集 『TIFFANY supports LOVE & HOPE by LESLIE KEE』(2012年)が第40回APA経済産業大臣賞、AKB48『恋するフォーチュンクッキー』のジャケット写真が第42回APA美しい日本賞を受賞。ジャンルを超えたアート作品はもちろん、彼自身が発するメッセージも国内外で注目を集めている。

VERBAL

音楽プロデューサー、MC、デザイナー

m-floを始め、数々のコラボレーションで知られるプロデューサー。超豪華ラップグループTERIYAKI BOYZ®のメンバーであり、ファレル・ウィリアムス、カニエ・ウェスト、ウィル・アイ・アムらとも交流が深い。近年はDJとしても飛躍をし世界を周り、アクセサリーブランドAMBUSH®のデザインも手掛ける。WHATIFの代表として3Dプロジェクションマッピングなどの最新技術も提供し、世界で初めてモーションキャプチャースーツをライブ導入している。

落合 陽一

メディアアーティスト、研究者

エジソンが発明家なら、落合陽一は魔法使いだ。研究者でありながら、メディアアーティストとしても活躍。電子回路とシャボン玉など、デジタルとアナログを組み合わせたビジュアルアートを手掛け、世界で多数の受賞歴がある。主な作品は『アリスの時間』(府中市美術館)、『モナドロジー』(MMM/TokyoDesignersWeek)、『コロイドディスプレイ』(ACM SIGGRAPH)など。TEDxTokyo yzやTED Talent Searchにも登壇する落合が、今度はどんな魔法を仕掛けてくれるのだろうか。

マリアン・グッデル

バーニングマン主催者

1995年に初めてバーニングマンに参加したマリアン・グッデルは、すぐさまイベントの魅力にとりつかれ、広報とマーケティングのディレクターとして支援活動を続けることになった。現在は9万人以上のメンバーが参加するメーリングリスト、コミュニティーの基板となるウェブサイト、ブログなどの管理をはじめ、開催会場となる地域との橋渡し役を務めている。オーガナイザー兼オーナーのひとりでもあるマリアンは、バーニングマンの架空都市「ブラック・ロック・シティ」の精神を受け継ぎ、コミュニティーを世界中に広げていくことに力を入れている。

AUN J クラシックオーケストラ

和楽器奏者

「音楽に国境はない、しかし国籍はある」という思いから、井上公平は和楽器の可能性を追求し、世界に向けて発信している。和太鼓、三味線、篠笛を奏でる双子ユニット「AUN(あうん)」で精力的な活動をおこないながら、2009年には邦楽界の若手ミュージシャンを集めたプロジェクト「AUN J クラシック・オーケストラ」を結成。よりポピュラーに、シンプルに、格好よく和楽器の魅力をアピールするため、国内外で演奏活動をおこなっている。伝統的な和楽器の音色を現代人の感性と融合させ、日本から世界へと新しい音楽史を紡ぐフロントランナーだ。

棚橋 俊夫

精進料理人

27歳で脱サラし、滋賀県大津市の禅寺月心寺の村瀬明道尼に弟子入り。3年間の修行を通じ、棚橋俊夫は天の恵みをいただく精進料理の奥深さを知った。以後、心身を清めながら豊かに生きるライフスタイルを広めるため、国内外で意欲的な活動を続けている。野菜本来の美味しさを引き出す調理方法を啓蒙し、自らも「料理屋の料理になってはいけない」という信条から毎朝1時間かけてゴマ豆腐用のゴマをすりあげる。現在は「是食キュリナリーインスティテュート」を立ち上げ、精進料理を通じた食の教育を推進。現代人の生き方へ提言を続けている。

サンディープ・カシ

シネマクラフト代表

黎明期からモバイルビデオの普及に尽力してきたサンディープ・カシは、約10年間の大企業勤務を経てシネマクラフトを創設。Videogram、Videogram Live、Oixshrなどの動画用プラットフォームを次々とリリースし、少数精鋭ながらデジタルメディア分野で世界的な注目を集める企業のひとつとなった。メディア上の広告、消費、マネタイズにおける新しい方法論を提示するサンディープは、既成概念を打ち破りながら自力で未来を切り開いている。

若宮 正子

メロウ倶楽部エグゼクティブ

マーチャンこと若宮正子は、定年後にネットで会話を楽しもうと60歳よりパソコンを独習。1999年にシニア世代のサイト「メロウ倶楽部」の創設に参画した。戦中戦後を生きた人々の貴重な生の証言をデータベース化する「メロウ伝承館」を担当し、このプロジェクトが国連情報社会世界サミット大賞日本大会で最優秀賞を受賞。高齢者向けPC活用術として10年前に考案した「ExcelでArtを」はマイクロソフトから絶賛され、同社の公式コミュニティーの記事として寄稿されている。デジタルで創造する喜びを世界に伝えながら、本人も存分に楽しんでいる。

遠藤 謙

義足エンジニア

2020年に開催される東京パラリンピックに向け、遠藤謙はすでに全力でスタートを切っている。MIT博士課程時代から一貫してロボット義足の研究を続け、現在はソニーコンピューターサイエンス研究所に所属。為末大や杉原行里と共にウェアラブル技術を開発する新プロジェクト「Xiborg(サイボーグ)」も始動させた。モーター数を減らしてスプリングを増やし、より本物の脚に近い義足を生み出すのが目下の目標である。ワールド・エコノミック・フォーラムが選ぶヤング・グローバル・リーダーの一員であり、2012年にはMITが発行するテクノロジー・レビュー誌で35歳以下のイノベーター35人にも選出。現在はIMPACT Japanのインパクト・フェローも務める。

佐倉 統

科学技術社会論研究者

社会基盤としての科学を問い続ける科学論研究者である佐倉統は、「科学技術によって、人は幸せにも不幸にもなる。であれば、できるだけ幸せになる方法を考察したい」と考える。たとえば、なぜ放射線をこんなに不安に感じるのか? という問いに対し、放射線低線量被曝の専門家と地域住民間のコミュニケーション活動に実際にかかわる一方で、人間のリスク認知の進化的基盤を研究し、科学技術と社会の関係性から答えを見つけようとしている。2011年には、科学コミュニケーションの理念を促進する人たちを表彰するサイエンスアゴラ賞では対話部門を受賞。著書や研究活動を通じて、科学と人とのつながりのあり方を見つめ直す手がかかりを与えてくれる。

久川 真吾

ソフトウェアエンジニア、ハッカー

遺伝子実験に欠かせないDNA増幅器を安価かつ安定的に量産し、大企業や研究機関に頼らない独自活動をおこなうバイオハッカーや世界中の教育機関に提供する。そんな大胆な活動を通して、久川真吾は遺伝子組換えや遺伝子治療などに関する現代人のリテラシー不足も改善しようとしている。ソフトウェアエンジニアであり、ハッカーであり、鳥人間コンテストで準優勝した経歴まである異能の人。所有するすべての工作機械とノウハウを動員して、高額な初期投資なしに誰もが自分のアイデアを製品化できる環境を作り出す。メイカーズ革命の先を行くオリジナルなアイデアは、スケールの大きな感動の宝庫である。

御手洗 瑞子

気仙沼ニッティング代表

外資系コンサルティング企業から、ブータン政府の初代首相フェローへ。そしていま、御手洗瑞子は気仙沼にいる。学生時代にNGOや国際ボランティア団体で活動して以来、「現場を重視しながら、自分の力を役立てる」という仕事観は変わっていない。東日本大震災発生後、気仙沼を訪れて現地復興のために何ができるかを考え、手編みのセーターやカーディガンを製造する会社「気仙沼ニッティング」の設立に辿り着いた。ケセンヌマという地名が、高品質ニット商品の産地として世界中で知られる日も遠くない。

高橋 政代

医学者

視覚障害に対する理解の促進とイメージ革新を願う研究者。2013年夏よりiPS細胞を用いた臨床研究を世界に先駆けて開始した高橋政代は、ネイチャー誌が選ぶ2014年の注目すべき5名の科学者のひとりである。iPS細胞由来視細胞移植の開発をするかたわら網膜疾患の研究を進め、臨床面では網膜変性疾患の専門外来も担当。神戸を拠点に、再生医療とリハビリの両側面から網膜疾患患者をトータルにサポートする医療システムを構築している。医療を経済的に自立させ、患者の満足を最大限にする網膜疾患センター構想は、閉塞感のある日本の医療に新たなイノベーションをもたらすだろう。

LJリッチ

音楽家、BBC司会者

天賦の才に恵まれ、わずか11歳にして英国王立音楽学校の奨学金を取得したLJリッチは、いわゆる共感覚の持ち主である。思わぬ場面で感覚の混入があり、食事のときに音楽が聞こえたり、音が聞こえたときに色が見えたり、あるいは何かを触ったときに音を感じるという。その一方でBBCの司会者としてレギュラー番組を持ち、社会や文化のギャップを橋渡しを果たしてきた技術革新などを紹介している。「好きな音楽を舌で味わい、絵画の中で遊ぶことを想像してください。それは決して不可能なことではないのです」と語るLJリッチは、まさに今年のTEDxTokyoのテーマにぴったりの人物だ。

松崎 英吾 / 寺西 一

日本ブラインドサッカー協会事務局長

視覚障者のために生まれたブラインドサッカーは、アイマスクを着ければ誰でも参加できるユニバーサルスポーツ。日本でも競技人口が増えており、2014年11月には渋谷で「ブラインドサッカー世界選手権」が開催される。招致を成功させた日本ブラインドサッカー協会事務局長の松崎英吾は、障害者のための持続可能な事業型非営利スポーツ組織を経営。2010年にスタートした子供向けダイバーシティプログラム「スポ育」は企業研修プログラムにも用いられ、障害者雇用への啓発を促進している。また現役日本代表選手の寺西一は、小学生向けスポ育のファシリテーターに従事。2010年IBSAブラインドサッカー世界選手権日本代表、2013年ヨーロッパ遠征選出メンバーとして活躍している。

西村 美保

理学博士

植物は一年中何らかの環境ストレスにさらされ、強すぎる日差しや温暖化による気温の上昇も植物にとって深刻な問題である。厳しい環境に耐えられる強さと、高い光合成能力とを両立した植物の実現には、光合成の環境適応力や機能強化に関する詳細な研究が求められている。そうした光合成のメカニズムを細胞・分子レベルで研究してきた西村美保は、先進的な研究活動と並行し、高校や中学校へ研究内容を紹介する出前授業をボランティアで続けている。世界に緑を広げ、新しいエネルギーシステムの創出にもつながる活動は、人の未来を育む活動とも深く結びつくだろう。

斉藤 梨央

ウクレレ奏者

13才のウクレレ名人、リオ・サイトウこと斉藤梨央が世界を驚かせている。ここ数年でアジア諸国、ニューヨーク、ホノルルなどのフェスティバルを転戦し、ハワイのレストラン「デュークス・ワイキキ」やロイヤル・ハワイアンで開催されるウクレレコンテストの最高賞を次々と獲得。YouTubeの演奏動画から「ダイナースクラブ・ソーシャル・ジャズ・セッション」のファイナリストにも選ばれた。独自の音楽スタイルを磨きながら、今年はTEDxYouth@TokyoとTEDxTeachersにもパフォーマーとして登壇。TEDxコミュニティーではすでにお馴染みの才能である。

青木 純

暮らしコーディネーター

カスタマイズ賃貸の第一人者として知られる青木純は、もともと通常の中古不動産の仲介業務や不動産ポータルサイトの運営を手掛けていた。それが、空室率の高い賃貸物件の空間を住まい手の目線でカスタマイズし、住人主体のコミュニティを構築して人気物件に作り変えたことをきっかけに、現代の賃貸住宅に大きな変革の余地があることを証明して見せた。シェアード・ライフワーク・プレイス、つまり現代版の職住一体住宅を体現する「ROYAL ANNEX」は、新しい共生のあり方を問いかけている。住まうことは、街と、人と、時代と共に生きることに他ならない。

山口 碧生

書家

いつから日本人は、縦に文字を書かなくなったのだろう。いや、今ではもう自分の手で文字を書く人すら珍しいのかもしれない。山口碧生は、サンフランシスコを拠点に活動する書家。ダンサーやファッションモデルたちとのコラボレーションが生み出す「ライブ書道パフォーマンス」で、書道芸術を平面の静止状態から開放する。書く瞬間に、その空間を流れる時間、静と動、感情や熱が体感できる立体表現。書くことを忘れてしまった私たちに、山口は伝えてくれる。文字には鼓動のようなリズムがあり、書かれる言葉にはいつも命が宿ることを。

松村 宗亮

茶道家、SHUHALLY庵主

日本では見えないことが、世界に出てふと見えてくることもある。ヨーロッパ放浪中に日本文化への無知を痛感した松村亮太郎は、帰国後すぐに茶道の世界に飛び込んだ。裏千家の茶道専門学校を卒業後、自らSHUHALLYプロジェクトを主宰。茶の湯をもっと自由に、もっと楽しくすることを目指して活動を始めた。千利休が残した茶道の基本を守りつつ、創意工夫を加えて独自のスタイルへと高めた活動は、国内外で高い評価を獲得。裏千家十六代家元坐忘斎に命名されたオリジナル茶室「文彩庵」がグッドデザイン賞を受賞するなど、伝統文化の既成概念を塗り替えている。

石倉 洋子

経営学者

性別、人種、年齢、環境に関わらず、学ぶ意欲のある誰もが等しく学ぶことができる世界。それが石倉洋子の理想である。オンラインでも、オフラインでも、向学心の豊かな人たちが学び続ける機会を得られるプラットフォームやコミュニティーの整備を進め、「グローバル・アジェンダ・ゼミナール」や特別セミナー「ダボスの経験を東京で」などを開催。大学時代の留学が原因で就職活動に失敗し、アルバイト生活をしながらMBAを取得して外資系コンサルティングファ一ムに入社した経験も。常に新しいことに挑戦して自分を成長させ、逆境にも負けないポジティブな心の尊さを教えてくれる。

イェスパー・コール

日本経済探検家

イェスパー・コールという人物は、巨額の金融取引から低レベルの政治まで、日本のすべての出来事を探ろうとするいわば探検家である。日本の大手金融機関で20年以上にわたる勤務経験を持ち、『日本経済これから黄金期へ』、『平成デフレの終焉』の著者としても知られる。曰く、「最後の日本オプティミスト」を自称し、楽観主義は日本の次世代の起業家や新興企業に刺激を与えるとしている。自らも政治的指導者や世界中の投資家に日本を推進するための刺激を与え、現在は福岡経済特区の立ち上げに協力している。

岡田 光信

起業家

グローバル時代から、コスミック時代へ。高校時代にNASAのスペースキャンプに参加して以来、ずっと宇宙に思いを馳せてきた岡田光信は、まさに宇宙規模で考えて行動する人である。大蔵省(現財務省)から戦略コンサルティング、IT企業勤務、通信ソリューション企業の設立を経て、2013年には「宇宙ゴミ」問題を扱う世界初の企業「ASTROSCALE」を設立した。宇宙環境の悪化は、我々の生活にも影響を与える共通の重大事である。日本の高齢化社会にも目を向け、高齢者に適切なサポートを提供する企業「MIKAWAYA21」を設立。地上と宇宙の出来事を同レベルの問題と考え、解決に向けて取り組んでいる。

HIROYUKI

カリンバ(親指ピアノ)奏者

アフリカで生まれた、素朴な癒しの響き。そんな先入観を、瞬時に吹き飛ばしてしまう驚愕の音楽だ。HIROYUKIさんは、世界一シンプルな鍵盤楽器「カリンバ」(親指ピアノ)を独創的に演奏し、そこに無限の可能性を感じさせてくれる唯一無二の存在である。火花が散るような熱情や、雨だれのような静謐が、生命のリズムを雄弁に奏でる。ソロ活動を中心に、さまざまな楽器との合奏や、ダンス、演劇、朗読、映像、ライブペイントとの競演など、音楽や表現ジャンルの垣根を越えて渾身の演奏を届けている。ライブハウス、クラブ、カフェ、お祭りに出演し、東京各地での路上演奏も精力的に継続中。

稲蔭 正彦

メディアアーティスト、プロデューサー、大学教授

エンタテイメントの分野で、みなさんは稲蔭正彦のマルチな才能ぶりをこう呼ぶことでしょう。「プロデューサー兼ディレクター兼クリエーター兼アーティスト兼語り部」と。ただ、実際にはそれ以上の肩書きを持っています。稲蔭と言えば、闇のスーパーヒーローを扱った1997年公開の劇場映画『スポーン』の特撮を連想させますが、他にも『福島民話館ねぇみんな』という144話分のアニメシリーズを制作しており、コンピューターグラフィックと人の動作を融合させるエキスパートです。また、ゲームデザイン、ミュージカル等のステージパフォーマンス、ソーシャルメディア、スマートプロダクトとその環境に関する研究も行っており、その芸術作品やアニメは世界の美術館やフェスティバルで見ることができます。慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科委員長兼教授の稲蔭は、今、その関心の中心をエンタテイメント、経験デザイン、企業組織および学びのイノベーションの語りに置き、五感を巧みに扱う共感覚の面白い現象も研究しています。1994年の著書『マルチメディアの冒険』では、インターネットやマルチメディアといったデジタル技術がどのように私たちのデジタルの未来に影響を及ぼすかについても予測しています。

佐藤 卓

グラフィックデザイナー

子どもたちのデザインマインドを育てよう。NHK Eテレ「にほんごであそぼ」のアートディレクター、「デザインあ」総合指導でも知られる佐藤卓さんは、おなじみの商品パッケージやグラフィックのデザインを手がけながら現代日本の日常風景を少しずつ変えてきた。東京藝術大学デザイン科卒業、同大学院修了後、電通を経て1984年に佐藤卓デザイン事務所を設立。毎日デザイン賞、東京ADC賞など多数のデザイン賞を受賞し、現在は21_21 DESIGN SIGHTのディレクターや武蔵野美術大学造形学部デザイン情報学科客員教授も務める。さまざまな展覧会を通して、社会とデザインの関係を積極的に論じるオピニオンリーダーである。

石黒 不二代

ネットイヤーグループ社長

大勢の人に語りかけるだけでは意味がない。大切なのは、ひとりひとりのお客様と親密なお付き合いシナリオをつくること。ものづくりが得意なのに売れる仕組みをつくれない日本を救うため、石黒不二代さんはデジタルマーケティングの科学を説いている。子連れでスタンフォード大学に留学して経営学修士を修め、シリコンバレーでコンサルティング会社を起業。1999年にネットイヤーグループの設立に参画した。著書に『言われた仕事はやるな!』(朝日選書)他。2009年日経ウーマンのリーダー部門第1位。新聞やオンラインでコラムを連載し、母校の名古屋大学でも職業論を講義。経済産業省で複数の委員を歴任している。

ディミトリ・ヴァッシラキス と クリヤ・マコト

ディミトリ・ヴァッシラキス
サクソフォーン奏者

ギリシャの神々に愛されたポストモダン・ラプソディー。ディミトリ・ヴァッシラキスさんは、10代でベースを弾いて歌い始め、ロンドンの王立音楽アカデミーでサクソフォン、ピアノ、作曲を学んだ。英国全土のコンクールを勝ち抜きLCMソサイエティ賞を受賞。その後発表したアルバムが「圧倒的なエネルギーと滑らかさを持ち、力強い音色が独創的なイマジネーションから溢れている」と評された。2002年の『ダイダロスプロジェクト=ラビリンス』がBBCネット投票で年間ベスト2アルバムとなるなど、キャンディードレコードの5作品が受賞の栄誉に。2011年の『オン・アクロス・ザ・ユニバース』も好評で、ニューヨークのリンカーンセンターなどで公演を続けている。

クリヤ・マコト
ジャズピアニスト

そもそも音楽とは、生きていくのが困難な人にこそ必要とされてきたもの。クリヤ・マコトさんの身上は、アパラチアの黒人コミュニティーで培ったソウルフルな切れ味と透明感だ。高校卒業後に渡米し、ウェストバージニア大学で言語学を学びながらライブ活動を開始。卒業後はピッツバーグ大学でジャズ講師を務め、米東海岸各地でチャック・マンジョーネ・グループほかジャズの巨匠たちと共演した。帰国後は、自身のグループで8回の欧州ツアーを含む世界公演を精力的におこなう。これまでのリーダーアルバムは15枚を数え、ジャズに留まらず、ポップスのプロデュースやオーケストラ作品の作曲なども幅広く手がけている。

賀沢 秀人

エンジニア

グーグルでシニアエンジニアリングマネージャーを務める賀沢秀人さんは、自然言語処理や機械学習を専門とするシステム設計の達人だ。東日本大震災後は、クライシスレスポンスチームの一員として各種災害対策システムの開発に従事してきた。東京大学大学院理学系研究科修了後、NTT研究所に勤務。その後、奈良先端科学技術大学院大学博士課程を経て、2006年よりグーグルで機械翻訳とウェブ検索開発の担当エンジニアとなった。2011年の東日本大震災発生後、Google クライシスレスポンス活動にボランティアとして参加。総務省主催のシンポジウムやニコ生のIT復興円卓会議等にも参加し、今もエンジニアリングの側から防災・救援活動に取り組んでいる。

会田 誠

美術家

エロ、グロ、ロリコン、暴力、国家。会田誠さんは、いつも私たちの社会通念や道徳心を真正面から挑発してきた。東京藝術大学では4年間ほとんど絵を描かず、大学院で突如として技法材料研究室に所属して写実的な画家に。デビュー以来「取扱注意の作家」と警戒され、2012年秋より森美術館で開催された「会田誠展:天才でごめんなさい」でも、「18禁部屋」を特設したにもかかわらず、作品が反道徳的であるという批判を受ける騒ぎとなった。個展と同時期に、家族との生活や制作風景を追いかけたドキュメンタリー映画「駄作の中にだけ俺がいる」も公開。「美術家は、絵を見ることで快楽を与えるサービス業」と言い切る男がそこにいる。

Photo: MATSUKAGE
Courtesy Mizuma Art Gallery

大平 貴之

プラネタリウム・クリエーター

可能は証明できるが、不可能は証明できない。大平貴之さんの口癖だ。小学生でプラネタリウムの自作を始め、日本大学在学中にアマチュアでは不可能といわれたレンズ投影式の「アストロライナー」を開発。1998年には投影星数170万個の「MEGASTAR」で世界の度肝を抜き、2004年には日本科学未来館と投影星数560万個の「MEGASTAR-II Cosmos」を完成させてギネスブックに載った。2011年にはエストニアで360度全天球プラネタリウムを設置。2012年にはまったく新しい投影方式の「MEGASTAR-III Fusion」をかわさき宙と緑の科学館で公開した
ばかり。開発と投影活動に明け暮れ、ありえないほど美しいあの星空を、今日も誰かに届けている。”

藤沢 久美

ソフィアバンク代表

草の根の人たちが、考え、声を出し、行動することで世の中が変わる。そんな「参加型社会」を実現させるのが藤沢久美さんの目標だ。国内外の投資運用会社に勤務し、1996年に日本初の投資信託評価会社を起業。2000年にはシンクタンク「ソフィアバンク」の設立に参画し、2013年より代表を務める。NHK教育テレビのキャスターとしてもおなじみで、取材した企業は1000社以上。投資や起業に関する著書は、諸外国でも翻訳出版されている。社会起業家フォーラム副代表、法政大学専門職大学院客員教授。現在、マスメディアとネットメディアを結びつけて社会的事業を育成する「ソシオ・インキュベーション」に取り組んでいる。

レネ・ダイグナン

エコノミスト、映像作家

駐日欧州連合代表部経済担当官のアイルランド人を、その戦いへと駆りたてたのは親しい隣人の死だった。ダブリン大学を卒業したレネ・ダイグナンさんは、1997年より日本在住。青山学院大学で国際ビジネスの博士号を修め、大学で教鞭も執って いる。カメラマンと2人で、3年の歳月をかけて自主制作したドキュメンタリー映画『自殺者1万人を救う戦い』は、各国の国際映画賞を次々に受賞。政治家からの関心も高く、国会議員会館で上映会を開催した。当事者の誰もが口を閉ざす日本の自殺問題。解決へ向けた10の提言を一刻も早く共有するため、全編をオンラインで無料公開し、上映会をおこなう団体には無償でDVDが提供されている。”

ジョン・クルーグ

イレネー共同創設者、作家

不浄でない者などいない。しかしジョン・クルーグさんの懸念は、世界で25億人もの人々が清潔な場所に住めないまま健康を損ない、衛生教育も受けられない悲惨な状態にあることだ。社会起業を支援する投資会社イレネーの共同創設者として、公衆衛生、高齢化、教育格差などの醜悪な現実に取り組んできた。非営利団体「トイレット・ハッカーズ」は、糞尿問題を社会経済上の問題と捉えて解決を図っている。2008年には米国連邦食糧寄付法の成立に寄与し、3500万人のフードセキュリティーを改善。2013年に共著『だれでもわかる慈善事業』を出版し、現在もパンク精神で社会変革を企てる新世代の社会起業家たちについて執筆中である。

グンター・パウリ

ブルーエコノミスト

木製の電池。石でできた紙。農業廃棄物から生成したバイオプラスチック。どれもがグンター・パウリさんによるブルーエコノミーの成果だ。自然界のシステム、再生可能エネルギー、知的な議論などを原動力に、1994年よりさまざまなビジネスモデルを実現。2010年の著書『ブルーエコノミー』では、10年以内に1億人の雇用をもたらすであろう持続可能なイノベーションを提示し、30カ国語以上に翻訳された。近年、特に力を入れているのは「ゼロエミッション構想」。私たちが置き去りにした世界で、生き延びなければならない者たちがいる。未来の人類にとって、ブルーエコノミーはただの寓話ではない。

エリック・マーティノー

再生可能エネルギー研究者

2013年に刊行された『世界自然エネルギー未来白書』は、自然エネルギー分野の専門家170名のインタビューを一挙に掲載した前例のないレポートだ。この極めて重要な文書を取りまとめた人物が、エリック・マーティノーさんである。カリフォルニア大学バークレー校とマサチューセッツ工科大学でエネルギー資源と電子工学を学び、世界銀行で途上国の自然エネルギー開発を指揮。北京やニュージーランドで教鞭をとる傍ら、2005年から『自然エネルギー世界白書』の主筆者を務め、これまで専門書を65冊出版した。日本が自然エネルギーで世界をリードすることを願い、2008年から環境エネルギー政策所(ISEP)研究部長として東京に住んでいる。

ブルース・ヒューバナーとカーティス・パターソン

ブルース・ヒューバナー
尺八奏者

ブルース・ヒューバナーさんの尺八は、変幻自在という言葉がぴったりだ。カリフォルニアに生まれ、10歳よりフルートでクラシック音楽を、14歳よりサクソフォンでジャズを演奏。1983年に来日して琴古流尺八に入門し、米国で東洋学を修めた後、1989年より東京芸術大学邦楽部修士課程で初めての外国人学生として山口五郎さん(人間国宝)に学び首席で卒業した。福島で教職に就きながら、トロントジャズフェスティバルやニューヨークのブルーノートにも出演。箏奏者カーティス・パターソンさんとのデュオ「カート&ブルース」は震災後すでに60回以上の国内公演をおこない、ゆかりの地に捧げた「福島組曲」などを演奏している。

カーティス・パターソン
箏奏者

凛とした空気に響き渡る和の音色。カーティス・パターソンさんはシカゴに生まれ、コーネル大学在学中に箏に出会った。1986年に来日して生田流箏曲の基本である地唄、段物等を学ぶ。1990年には沢井箏曲院に入門し、沢井忠夫・一恵両師に師事。古典曲のみならず数多くの現代曲も手がけ、三味線も手にするようになった。1995年、外国人としては初めてNHK邦楽技能者育成会を卒業。2006年よりブルース・ヒューバナーさんとデュオ活動を始め、2007年にCD『Going Home』、2008年に『風紋/Tracings』をリリース。九州から東北まで、『桜前線ツアー』や『紅葉狩りツアー』と称する全国公演を約100回開催している。

クリヤ・マコト

ジャズピアニスト

そもそも音楽とは、生きていくのが困難な人にこそ必要とされてきたもの。クリヤ・マコトさんの身上は、アパラチアの黒人コミュニティーで培ったソウルフルな切れ味と透明感だ。高校卒業後に渡米し、ウェストバージニア大学で言語学を学びながらライブ活動を開始。卒業後はピッツバーグ大学でジャズ講師を務め、米東海岸各地でチャック・マンジョーネ・グループほかジャズの巨匠たちと共演した。帰国後は、自身のグループで8回の欧州ツアーを含む世界公演を精力的におこなう。これまでのリーダーアルバムは15枚を数え、ジャズに留まらず、ポップスのプロデュースやオーケストラ作品の作曲なども幅広く手がけている。

傅 喬荻

建築家

デザインを通して、愛を創造すること。わずか6歳にして北京首都博物館で個展を開催したジョーディー・フーこと傅喬荻さんが、幼心に決めた目標は今でも変わらない。セントラル・セント・マーチンズ、ロイヤル・カレッジ・オブ・アートというロンドンの名門2校で美術とデザインを学び、フューチャーシステムとスキッドモア・オーウィング ズ・アンド・メリルに勤務。ブリティッシュ・カウンシルの要請で再び中国へと渡り、建築、ドローイング、環境デザインの賞を次々と受賞した。現在「ファッションTV」のクリエイティブ・ディレクター。ロンドン、バンコク、広州で、自身のデザイン会社「マーケス&ジョーディー」を展開している。

シトウレイ

フォトグラファー

ストリートスナップの向こうに見えるのは、かけがえのないそれぞれの人生とファッション観。シトウレイさんは街角で撮影した美しいファッション写真をブログに掲載し、東京のストリートファッションや世界のファッションウィークの動向を発信している。世界的ウェブサイト「ファッショニスタ」が選ぶ「最も影響力のあるストリートスタイルブロガー」に認定され、ブログを写真集にまとめた『STYLE from TOKYO』や、ユニークな東京ガイドブック『日々是東京百景』にも国内外から大きな反響がある。J-WAVEのナビゲーターとしてもおなじみ。ファッションの奥深さは、世界中の誰とでも楽しく分かち合えるのだ。

宇野 常寛

評論家

政治経済が「昼の世界」なら、サブカルやネットはいわば「夜の世界」。宇野常寛さんが自主流通する批評誌「PLANETS」の最新号では、昼夜に分断された社会と個人、政治と文学の関係を書き換えるスリリングな宣言がなされている。ウェブサイト「第二次惑星開発委員会」を基盤に、2005年より出版活動を開始。サブカルから政治まで、さまざまな分野の問題を時の人と論じてきた。著書に『ゼロ年代の想像力』(早川書房)、『リトル・ピープルの時代』(幻冬舎)、共著に『希望論』(濱野智史、NHK出版)、『こんな日本をつくりたい』(石破茂、太田出版)など。現在は、「新しいホワイトカラー層」の衣食住や生活文化を徹底分析中。

工藤 丈輝

舞踏家

衝動の根源は、永遠に満たされない人間存在。計画された理知ではなく、感情や官能と呼ばれる人間本来の力が手がかりとなる。慶應義塾大学仏文科在学中より演劇、ダンス、日舞などを学んだ工藤丈輝さんは、1989年に舞踏と運命の出会いを果たした。先駆者である玉野黄市さん、和栗由紀夫さんらの作品に出演し、1992年よりソロ活動を開始。山海塾への参加を経て、1997年には自らの集団「東京戯園館」を設立した。‪ジャン=ルイ・バロー‬、‪ヴァーツラフ・ニジンスキー‬、三島由紀夫らの思想に共鳴。舞踏家の命である「火」を内に秘め、さまざまな分野のアーティストやカンパニーと関わりながら、ソロを中心に世界各所で公演を続けている。

坂 茂

建築家

美学、空間、素材、構造の再定義。それが坂茂さんの一貫した建築哲学である。紙管や輸送コンテナを利用した常識破りの建築は、震災からの復興支援に結実してその先見性が証明されることになった。クーパー・ユニオン建築学部を卒業後、磯崎新アトリエを経て1985年に坂茂建築設計を設立。主な作品に「カーテンウォールの家」、「ハノーバー国際博覧会日本館」、「ポンピドー・センター・メス」などがある。日本建築学会賞作品部門、オーギュスト・ペレ賞、芸術選奨文化部科学大臣賞など受賞多数。これまで慶応義塾大学、ハーバード大学、コーネル大学などで教鞭を執り、現在は京都造形芸術大学教授を務める。

鯨本 あつこ

離島経済新聞社主宰

日本には、約430もの有人島がある。これまで離散していた島々の情報を、ひとつにつなぎ始めたのが鯨本あつこさん率いる離島経済新聞社だ。地方誌編集者、ビジネス誌の広告ディレクター、イラストレーターなどを経て、2010年に離島経済新聞社を設立。「日本の離島に灯りを灯そう」をテーマに離島情報専門のウェブメディア『離島経済新聞』とタブロイド紙『季刊リトケイ』を発行している。2012年にロハスデザイン大賞ヒト部門受賞し、『離島経済新聞』『季刊リトケイ』はグッドデザイン賞も受賞。現在、離島に関する出版物を集めた「島専用本棚」を作り、全国300箇所の書店に設置する「島Books」プロジェクトを推進中である。

太刀川 英輔

デザイナー

東日本大震災の40時間後「OLIVE」というWIKIサイトが立ち上がった。被災者が生き延びるために役立つ知恵を世界中から募ったデータベースである。運営者の太刀川英輔さんは、政府や団体と連携し短期間で被災地に有益な情報を届けることができたという。慶應義塾大学大学院に在学中の2006年からNOSIGNERとして活動を始め、社会に機能するデザインの創出を通して、PENTAWARDS PLATINUM、アジアデザイン賞大賞などの国際的デザイン賞を数多く受賞してきた。現在はデザイン発想のワークショップ「デザインの文法」などの取り組みを通し、多くの人がデザインに関われる未来を作りたいと願っている。

田子 學

アートディレクター、デザイナー

調理して、保存して、収納する。無駄を省きながらも豊かで上質なライフスタイルを体現した鳴海製陶の食器「OSORO」(オソロ)は、発売直後より国内外で数々のデザイン賞を受賞した。約3年をかけて素材や技術の壁をメーカー担当者と共に乗り越えたという田子學さんは、東京造形大学でデザインマネジメントを学び、東芝デザインセンター、リアル・フリートを経て、2008年にエムテドを設立したデザイナー。慶應義塾大学、法政大学、東京造形大学で教鞭を執り、グッドデザイン賞審査委員も務める理論家だ。コンセプトから生産までのデザイン、ディレクション、マネジメントを幅広い産業分野でトータルに提供している。

安念 真吾

MC、音楽プロデューサー

「Shing02」(シンゴツー)の名で知られる安念真吾さんは、タンザニア、ロンドン、日本で少年期を過ごし、15歳よりサンフランシスコのベイエリアへ移住。カリフォルニア大学バークリー校で学びながらヒップホップに共鳴し、社会へのメッセージを音楽で伝えられることの可能性を悟った。日英2カ国語のコンセプチュアルな言葉が、レゲエ、ジャズ、日本音楽などに影響を受けた現代音楽としてのヒップホップを体現。‪Nujabes‬やChimp Beamsとの共作など数多くの作品が高く評価されている。近年は『Petals of Fire』『then-n-now』などのショートビデオを監督制作。坂本龍一さんのプロジェクトにも参加し、「僕と核」のオンラインレポートで核についての情報を広めている。

藤山 晃太郎

手妻師

江戸古典奇術の「手妻(てづま)」は、演技、演奏、衣裳、ストーリーが見事に一体化した日本独特のマジックである。和風マジック全般を意味する「和妻」の名でも呼ばれるが、舞踊の所作や見立てなどの古典的なしきたりを守る手妻の流派は少なくなった。千葉大学マジックサークル出身の藤山晃太郎さんは、文化庁芸術祭大賞を受賞した大家、藤山新太郎さんの一番弟子。2006年に藤山姓を襲名し、伝統を守りながら曲芸にも秀でた生粋の手妻師として活躍中だ。2010年から4年連続で公益社団法人日本奇術協会「ベストマジシャン」を受賞、ハリウッドの殿堂「マジックキャッスル」など海外でもそのユニークな技芸を披露している。

HANDSIGN

ボーカル&パフォーマンスグループ

2005年に結成されたHANDSIGNは、パフォーマンスに手話を取り入れた5人組。国内ではライブ公演や学校でのワークショップで笑顔の輪を広めている。ニューヨークのアポロシアターでは2度のアマチュアナイト優勝を果たし公認パフォーマーとなる。2013年にブルガリアのソフィアで開催されるデフリンピック(ろう者のオリンピック)日本代表の応援歌を制作して選手を激励し、国内でデフリンピックの認知度を上げるべく精力的に活動している。2013年よりオスカープロモーションに所属。Eテレ「みんなの手話」では、毎月オリジナルの楽曲を手話ダンスと歌でお届け中。

C.W. ニコル

作家、ナチュラリスト

17歳で祖国ウェールズからカナダへ渡って北極探検を繰り返し、エチオピアでは野生動物保護省の管理官として密猟者と死闘。そんな人生を送ってきたC.W.ニコルさんがついに定住を決意した場所は、長野県にある里山だった。黒姫高原の荒れた土地を購入して「アファンの森」と名付け、1986年より森林の再生活動を開始。より公益的な活動を目指して2002年に財団を設立し、たびたび政府のブレーンとしてエコツーリズムにも寄与している。武芸を愛し、1995年に日本国籍を取得した自称「ケルト系日本人」。震災後、人々が自然との共生に回帰することを誰よりも強く希求している一人である。

室瀬 和美

漆芸作家

しっとりとした漆の光沢に、格別な華やぎを添える金銀の蒔絵。室瀬和美さんは、その蒔絵の技術で2008年に重要無形文化財保持者(人間国宝)となった漆芸作家である。東京藝術大学大学院美術研究科を修了後、日本伝統工芸展に出品しながら、金刀比羅宮本殿格天井「桜樹木地蒔絵」や三島大社の国宝「梅蒔絵手箱」の復元、祐天寺講堂蒔絵壁画「祐光」などの作品を手がけてきた。大英博物館を始めとする国内外の展覧会にも多数出品し、2002年には『漆の文化――受け継がれる日本の美』(角川書店)を上梓。「漆を通した21世紀型価値観」を発信し、縄文時代前期から脈々と続く漆芸の美意識を伝道している。

みつばこ

みつばち愛好家、詩人

1994年から2002年頃まで広島の灰塚と呼ばれる地域で芸術家の岡崎乾二郎を中心に「灰塚アースワークプロジェクト」を展開。スタッフとして、地元のフィールドワークに数年間参加する。その頃より芸術作品に登場するみつばちや養蜂に関心を持ち、養蜂園を訪ねる旅を始めた。2000年よりみつばちをモチーフとしたテキストと写真を創作し、自作の物語や散文の朗読などをおこなう。2006年より「みつばちの木箱」を活動名とし、新たに画家や建築家とのコラボレーションを展開。現在、自身が集めた花粉や花びら、種子、ことばなどを用いて、一回性の詩の表現方法を模索している。将来は、養蜂詩人を目指している。

高橋 晋平

おもちゃ開発者

株式会社バンダイで現在カプセル玩具の企画開発を担当し、ヒット商品を次々に送り出しているアイデアマン。高橋晋平さんの代表作である「∞(むげん)にできるシリーズ」(∞プチプチ、∞エダマメ)は、2008年の第1回日本おもちゃ大賞「トレンディ・トイ」部門大賞に輝き、国内外でシリーズ累計500万個以上を販売する異例の大ヒットとなった。2012年には著書『∞(むげん)アイデアのつくり方』(イースト・プレス)でその独特な発想法を公開し、2013年の新商品「おねだりわんこ」も好評。世界中の人々がアイデアマンになれるよう、誰でも簡単にできる発想法の研究や講演活動をおこなっている。

エディ 宇賀田

ピンクカンパニー代表

アキバ系フィギュアなどの制作販売を営むエディ宇賀田さんは、10代の頃から1960年代アメリカ文化を偏愛してきた。アメリカンコミックの原画、レコード、ヴィンテージギター、古着などを収集し、当時のアメリカ文化に影響を受けたヨーロッパ各国のレコードにも精通。サーフミュージックを演奏する「ジ・エル・カミーノス」のリーダーとして、アメリカのカレッジチャートでナンバーワンを獲得するなど多彩な顔を持つ。アニメの原作やオタク系グッズのコレクションだけでなく、T型フォードなどのホットロッドカーも組み立ててしまうという真性の趣味人である。

藪内 静香

新体操パフォーマー

新体操を主軸とするまったく新しいステージ芸術。高校生時代に新体操で全国大会2位などの実積を残した藪内静香さんは、自分が理想とする「舞い」のかたちを絶えず模索してきた。近年は矢沢永吉のコンサートや「マジック革命!セロ!!」などのステージでもリードダンサーとして活躍。ダンス業界のみならず、自身のルーツである新体操演技会にもエキシビション枠で出演を続けている。2012年には日本最大級のダンスイベント「ワールドワイド」で新体操とダンスの融合作品を演じ、オーディエンス賞を受賞。「女王」の呼び名に相応しいステージは、今でも進化を続けている。

諏訪 綾子

フードアーティスト

美食でも栄養源でもない、新たな「食の価値」を伝えることをテーマに活動している諏訪綾子さん。金沢美術工芸大学卒業後、2006年より「food creation」を主宰。人間の本能的な欲望、好奇心、進化をテーマにしたフードクリエイションという活動を続けている。食材を感覚的コミュニケーションの素材としたパフォーマンスが話題を呼び、2008年には金沢21 世紀美術館で「食欲のデザイン」と銘打った初個展を開催。デパート食品フロアでの関連パフォーマンスも、食とアートの両分野から高評価を得た。近年はパリ、ベルリン、シンガポール、香港、福岡、東京などで神出鬼没の「ゲリラレストラン」を開催している。

関山 和秀

スパイバー株式会社 代表取締役社長

伸縮性が高くて、強度も桁違い。そんな夢のような繊維素材があるのだという。関山和秀さんが取り組んでいるのは、クモの糸の人工生成。理想的な伸びと強度を生み出すため、遺伝子を合成してアミノ酸配列を操作する。微生物発酵による低エネルギー生産ができるので、環境負荷も極めて低い。この研究を世界に先駆けて実用化するため、慶應義塾大学院在学中の2007年に仲間とスパイバー株式会社を設立。2010年には文部科学省科学技術政策研究所「科学技術への顕著な貢献」に選定されるなど、国内外で高い評価を得ている。クモの糸でできた飛行機が空を飛ぶのは、そんなに遠い未来のことではない。

アルバロ・セデーニョ・モリナリ

グリーン成長提唱者、紛争転換活動家

公共問題の解決には、政府に頼らない社会変革運動が必要だ。駐日コスタリカ大使という公人の顔も持つアルバロ・セデーニョさんは、そう断言する。コスタリカ大学で法学を修め、トロムソ大学(ノルウェー)とカーネギーメロン大学(オーストラリア)で博士号を取得。大学院では紛争転換を研究し、2006年よりブログで独自に発言を続けてきた。近年は、環境破壊への対応策として「グリーン成長」を提唱。「環境保護は富を生む」という彼の主張どおり、コスタリカの国家的なビジネスモデルは成功を収めている。自然環境を回復しながら税収も増やし、2015年までに国内電力需要の95%を再生可能資源で賄おうとしているのだ。

奥山清行

工業デザイン・マスター、メンター

奥山は、エキゾチックだが実用的で、かつ美しいモノを創り上げることに人生の多くの時間を費やしてきました。カー・デザイナーとして受賞歴を持ち、ゼネラルモータース、ポルシェ、イタリアの有名なピニンファリーナにて様々なモデルを手がけましたが、その中にはエンツォ・フェラーリ、マセラティクアトロポルテなどがあります。2006年にピニンファリーナを退社し、2007年にKEN OKUYAMA DESIGNを設立しました。現在では、カーデザインの領域に囚われずに、メガネ、テーマパーク、家具、人間型ロボットなど様々なモノのデザインを手がけています。例えば、世界初の家庭向け人型二足歩行ロボット「nuvo」などがあります。KEN OKUYAMA CARSを通じて、限定生産のコンセプトカー2車種- K.07 スパイダーとその兄弟車種にあたる電気駆動のK.08 – がジュネーブ・モーターショー2008で発表されました。アメリカのアート・センター・カレッジ・オブ・デザインの他、日本の美術大学で客員教授を務めます。

Ginger Ana Griep-Ruiz

濃厚でこの世のものとは思われないような王国に生息する軽妙な者たちの、アクロバットマスターやマイム、語り部やコミックなどが贈る、優雅さ、笑い、哀愁と冒険が同量ずつ混ぜ合わさった物語。シルク・ド・ソレイユは、あなたを彼等の世界に引き込み、その他の世界の存在を忘れさせてくれます。1984年に20名のストリートパフォーマーたちによって結成されたシルク・ド・ソレイユのミッションは、観る人の想像力をかき立て、五感を刺激し、感情を起こさせようとうものです。カナダのケベックに本拠地をおき、現在では40か国以上からくる4000名以上の従業員を抱える規模となり、そのなかには1000名ものアーティストたちも含まれます。
彼等のショーは5大陸に渡る200以上の都市の1億人以上もの観客に感動と喜びを伝えてきました。カンパニーはアメリカのエミー賞をはじめ、各国の栄誉ある賞を多数受賞しています。

山海嘉之博士

今は亡き偉大な作家アイザック・アシモフならば、ロボット工学のパイオニア山海博士にほれ込むに違いありません。アシモフの名著『われはロボット』や漫画『サイボーグ009』など未来を舞台にした作品と共に成長した博士は、SFの世界を現実にしたようなサイボーグからヒントを得たロボット「ロボットスーツHAL(Hybrid Assistive Limb)」を開発しました。人が筋肉を動かそうとするとき、微弱な生体電位信号が皮膚表面に漏れ出してきますが、HALはこの信号を読み取るのです。博士は、HALが将来的に障害者や高齢者が自由に動くための助けとなり、また、全ての人の身体機能の向上につながることを願っています。人類にとって有益な技術開発のみを行い、軍事利用やその他破壊を目的とする開発は行わないことを明言しています。2004年、HALを製品化する計画の一端として、筑波大学を通じてベンチャー企業のサイバーダイン株式会社を設立しました。

申し訳ありません。このトークビデオは英語のみです。

白A

映画『マトリックス』のネオが見るエンターテインメントは、どんなタイプでしょうか? あれこれ考 える前に白 A をご覧ください。ポップで知的なステージからブルーマングループを思いだすかもしれま せん。でも彼らの音楽とダンスと視覚効果を組み合わせたパフォーマンスはサイバーパンクであり想 像を絶するような動きです。何色にも属さない「白」を冠したこのグループは 2002 年に結成され、 ベネチア・ビエンナーレで銅賞を獲得しています。バーコード・マン、ピーコック、ヒューマン・レイヤー やトゥインクル・マンといった彼らのパフォーマンスは 21 世紀のサブカルとでも言うべきもの。観客 参加型の即興劇も見事な切れ味。白 A はテレビやクラブや舞台だけでなく、上海万博や佐渡アース・ セレブレーション、サマーソニック大阪などのイベントでも活躍しています。今年の 8 月のベルリンを 皮切りに 3 か月かけて、ドイツ、デンマーク、オーストリアをツアーすることが予定されています。

まろ

コンテンポラリージャグラー・ダンサー

一箇所に直立していてもジャグラーにはタイミング、タッチ、バランスとポジションの超自然的なセンスが求められる。それにアクロバット、パントマイム、そしてダンス要素を入れるとしたら、まろのような訓練を重ねた身体的天才でないとあれほど簡単にこなして見せられないだろう。まろは1988年に劇団俳優として活動を始め、後にアクロバット、パントマイム、道化、マジック、ジャズ、バレエとジャグリングを習うために日本のパントマイムカンパニーで学ぶ。特にジャグリングを主にフィジカルシアターとブレンドしていく。2004年に日本政府により、1年間日本の伝統舞踊とモダンダンスを学ぶための奨学金を得る。2006年に再度2年の奨学金を獲得し、ベルリンのJonglier Katakombenでロシア人巨匠のValantin Tovartchi 氏、Sergey Ignatov氏の下で学ぶ。 2010年より、身体表現と技術を融合させた新ジャグリング(Rhythmic Juggling)を提唱し、新しい表現スポーツとして確立すべく選手や指導者の育成も行っている。


まろについてもっと知る:


金子竜太郎

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和太鼓奏者、パーカッショニスト

金子竜太郎氏は、太鼓が生み出すドーンと心に響く音を良く知っています。1987年から2007年にかけて、有名な和太鼓集団の鼓童の中心的奏者として世界ツアーを行い、鼓童の上演曲目を作曲、編曲、指揮しました。彼は、他のリズム、ロック、ジャズ、世界の音楽や日本の伝統的音楽とのより繊細な響きを探求しています。金子氏は、日本の伝統的な和太鼓の世界に、チャッパと呼ばれる金子氏がデザインした小さなシンバルなどの、パーカッションの要素を持ち込みました。金子氏はこのビートを音楽家、ダンサー、音楽教師のワークショップで披露し、世界中の公共の場でも広めています。

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